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庭でぶどう栽培!?自分で巨峰やシャインマスカットを作ってみよう!

ぶどうは病害虫・病気に弱いため「栽培は難しいのかな…」というイメージかもしれませんが、難易度は品種によって大きく異なるので、比較的栽培しやすい品種のブドウを選べば、初心者さんでも挑戦の価値があります。テレビでも良く目にする「シャインマスカット」や「デラウェア」も家庭で栽培できる品種です。当記事では育てやすい品種や家庭でのブドウの育て方、ブドウ栽培に関する一年間の作業を具体的に紹介します。

ブドウの特性と栽培

地域

ブドウは温帯の農作物で、年平均気温が10度から20度の地域が栽培地域とされ、北半球では、北緯30から50度の範囲に収まります。

日本では鹿児島県口之島以北です。

寒さ

新梢が落葉期に十分に茶色く木化していたら、-10度ぐらいまで耐えられます。

寒さに一番弱い時期は萌芽直後の信用が出て間もないころで、氷点下にならなくて遅霜で葉が枯れることもあります。

暑さ

高温は生育期間中の果皮の色付けに大きく影響します。

果皮の着色が始まるのは、年間で最も気温の高い夏です、

そのため、真夏日、猛暑日、熱帯夜になりやすい暖地では、着色系品種で果皮の着色不良が起こりやすく、低糖度となって味が悪くなります。

被害は黒色系品種より紅色系品種の方が甚大です、

鉢植えでは涼しい場所への移動、庭植えでは高温期の葉への散水などで防ぎましょう。

なお、土壌が乾燥すると、そのストレスで果皮の着色が促進されることもあるので、庭植えで色づきが悪い品種でも、鉢植えにして乾かし気味に育てると着色が良くなることもあります。

ブドウに適した土壌

やせ地でも育つ

果樹を新たに植える場合に、「スギの跡地にはナシを、アカマツの跡地には桃やブドウを」と言われます。

これはナシはスギが育つような肥沃で保湿性の高い土壌を好むのに対し、桃やブドウはアカマツが育つような、やせて乾きやすい土壌でも良く育つことを示しています。

水はけのよい土を

土壌や用土は特に選びませんが、水はけと通気性の良いものが適します。

水はけが悪い庭の場合、盛り土や畝立てをして改善すれば、粘土質の土壌でも十分に育てられます。


土壌酸度

弱酸性から弱アルカリ性の土壌が望ましいのですが、生育できる土壌pHの範囲は比較的広いため、生育不良や葉の黄化などの症状がでなければ、土壌pHの強制は特に神経質になる必要はありません。


栽培環境と管理

日当たり、風通し

高品質の果実を作るために好ましいのは、日当たり、風通しの良い場所です。ぶどうは、新聞が読めるくらいの明るさがあれば、光合成をおこなえますが、高品質の果実を収穫するには、葉がある時期に半日以上は日光に直接あたる場所で育てましょう。

また、風通しが悪いと病気や害虫が発生しやすくなります。

水やり、土壌水分

ブドウは乾燥に強い植物ですが、果皮の薄い品種は乾燥状態になると果皮の伸びが悪くなり、その後土壌に含まれる水分量が多くなると、果肉の急激な肥大に果皮の成長が追い付かず、裂果します。

そのため、果粒が肥大し始めてからは乾燥しすぎないように注意します。

肥料

肥料を多く施すと樹勢が強くなり、新梢ばかり伸びて、実付きが悪くなり、組織が軟弱になって病害虫に侵されやすくなるなどの弊害が出ます。そのため、庭上では特に生育がわるくなければ、収穫直後のお礼肥程度で十分です。

鉢植えは、新梢の伸長期から収穫期まで定期的に施します。


ブドウの種類

欧州種・米国種・欧米雑種

現在、世界的に多い栽培品種は欧米種ですが高温多湿の日本の機構で欧米種を栽培することは困難です。

一方、米国種は耐病性が強く、湿潤な環境でも露地栽培が可能ですが、果実の品質が劣ります。そのため、高品質な欧米種と耐病性の強い米国種の両方の長所を持つ品種作りが行われています。

その結果、日本で栽培されている品種の大半が欧米雑種です。

ブドウの品種

黒色系品種・紅色系品種・白色系品種

一般的に着色系品種は味や香りが濃厚なものが多く、白色系品種は爽やかな香りを持つものが多くあります。

黒色系品種

代表的な黒色系品種を紹介します。

巨峰

巨峰は1945年に発表された日本原産の黒色系品種です。

果皮は紫黒色で、粒は10g~15gくらいと大きく、果肉はしまっていて多汁。香りが良く、甘みが強くて易しい酸味があります。ぶどうは新品種が登場していますが、巨峰は長年にわたって根強い人気を維持しています。


ピオーネ

ピオーネは1973年に登録された紫黒色系品種です。大粒の紫黒色で、1粒15g~20gほどの重さになります。甘味と酸味のバランスが良く、きゅっとしまった歯触りの良い食感と上品な風味が楽しめます。

種なしのモノは「ニューピオーネ」とも呼ばれます。


ブラックビート

2004年に品種登録された紫黒色系品種。ブラックビートはそれほどアッサリした味ではなく、甘味が強くて酸味も適度で濃厚。

また、果肉はしっかりとして食べやすい。


紅色系品種

代表的な紅色系品種を紹介します。

デラウェア

デラウェアはアメリカが源さんの自然交雑種とされ、1855年にオハイオ州デラウェアで命名発表され、日本には明治時代の1872年に入ってきたとされています。

種なしぶどうの定番として古くから一般的に親しまれているぶどうです。果粒は小粒でも、強い甘さとそれを支えるに十分な酸味を持ち、ほのかな芳香があります。


クイーンニーナ

2011年に品種登録された紅系ぶどうの「クイーンニーナ」です。糖度が高くて酸味が少なく、香りが良いとのこと。強い甘みと特有の甘い香りがふわっと口の中に広がります。

 


白色系品種

代表的な白色系品種を紹介します。

シャインマスカット

2006年に品種登録されたぶどうです。糖度が20前後と甘みが強く酸味はほんのり程度。ジューシーで硬めの果肉を口に含むとマスカットの心地よい香りが広がってきます。


瀬戸ジャイアンツ

瀬戸ジャイアンツは酸味がほとんどなく、上品でまろやかな甘さが何とも美味。皮が薄いのでそのまま食べても美味しい。


ワイン専用品種

ワイン専用品種は果皮エキスがワインの味に大きく影響するため、一般的にかじるでエキスが薄まりにくい小粒が良いとされます。

また摘房、花房、成形、摘粒が不要です。糖度は生食用品種並みか、それ以上ですが、生で食べると意外にアッサリしています。果実を調理して、ソースなどで味わうことができ、紅葉を楽しめる品種も多くいます。

ピノ・ノワール


セミヨン


ブドウの年間作業

ブドウを育てたいと思っていても具体的に何をしたら良いかわからないでしょう。

ブドウの年間の作業を下記にまとめていますので、是非ご参照ください。

1月

寒さが厳しいこの時期、ブドウの木は休眠しています。整枝・剪定の適期です。ただし、1~2芽だけ残して切る短梢剪定は芽が乾燥や寒さで枯れこむことがあるため、厳寒期を継ぎ手から行います。5芽以上残して長梢剪定ではその危険性は低くなります。

落葉後から萌芽前は苗木の入手適期です。ぶどうは枝がつる状に伸びるので、色々な仕立て方を楽しめます。

2月

ブドウの木はまだ休眠中で引き続き剪定の適期です。同時に休眠期の病害虫病除を行いましょう。枝にまだらに黒ずんだりへこんだりした部分があったら、それは病斑です。病斑のある枝やかれた巻きひげは切って庭の外で処分します。

また、樹の内部を食べるスカシバ類の幼虫などが寄生した部分を剪定の際に見つけたら、これも切除して庭の外で処分します。

3月

気温、地温が上昇してきます。萌芽はまだ始まっていなくても木の内部では樹液の流動が始まり、冬眠から目覚めようとしています。この時期に枝を切ると樹液があふれ出てくるので、整枝・剪定は上旬までに終わらせましょう。

萌芽が始まるまでに主枝や結果や母枝の誘引を済ませておきます。また、凍害の心配がなくなれば、苗木の植え付け適期です。事前に植穴を堀り、市販の土壌酸度測定器や試薬を使って、土壌酸度を調べておくと安心です。

4月

気温の上昇に伴い、萌芽が始まります。伸びてくる新梢を放任すると、枝が込み合い、新梢の伸びもばらつくので、樹勢の調整と病害虫防除のために芽かきを行います。開花をそろえたり、ジベレリン処理を行う場合は作業しやすくしたりするためにできるだけ、新梢の生育は早くそろえる必要があります。

萌芽後の新梢は誘引の際に無理に引っ張ると根元から折れやすいので、ある程度の長さに伸びてから誘引します。

5月

多くの品種の花が咲きます。

先月に続き、新梢の誘引を行います。棚面や支柱などに誘引することにより、新梢の伸びを抑え。強風による新梢の欠損を防ぐことができます。開花前に大粒品種では1新梢に1花房、小粒品種では1品種に2花房となるように摘房し、花ぶるいを抑えて着果数を確保するために、新梢の摘心を行います。

6月

花の満開後、2~3週間ほどたつと果実の肥大期に入ります。

大粒品種の摘粒を始めます。摘粒が終了したら、病害虫防除などのため袋掛けをします。

果実肥大期は土壌を乾かし過ぎないように注意し、庭植えでも土壌が乾いたら水やりをします。

7月

新梢の伸びが止まってきます。望ましいのは全体の80%程の新梢が伸長を停止している状況です。新梢がまだ旺盛に伸び、果房がくらい日陰になると果皮の着色が悪くなるだけでなく、新梢の登熱も防げられるため、新梢や副梢を整理し、誘引を見直します。ただし、果粒軟化期に入って一度に多くの新梢を切ると、着色不良などを招きます。早い時期では収穫時期を迎えます。

8月

成熟して収穫期を迎える品種が増えてきます。果実のつけすぎは着色不良や糖度低下につながります。また、着色系品種で果房全体がぼんやりと着色している場合は最終的に着色不良となりやすいため、早めに摘房しましょう。

果実でも光合成をおこなっているため、果房に日陰を作る葉は除去します。果房に十分に日航が当たっていないと着色不良となる品種もあります。

9月

多くの品種で収穫は終わります。ぶどうの木は落葉期までに、来年の生育のための貯蔵養分を蓄積します。そこで、収穫直後のお礼肥は控え、新梢を間引いて、翌年のための結果母枝の充実を図ります。

早期落葉の防止のため、庭植えでも収穫直後にたっぷりと水を与え、その後は土の乾き具合を見て水やりをします。

10月

晩生品種も収穫が終了します。ぶどうの木は来年の生育のために、樹体内に養分を蓄積している最中です。

毎年安定的に品質の高い果実を作るためには、土壌の物理的及び科学的な改善が必要です。そのため、毎年土づくりを行います。土づくりによって、硬く締まった土壌や水化へが悪い土壌も、通気性、水はけ、保水性が改良されます。

11月

正常に生育している木では、11月に落葉が始まります。先月に引き続き、作業は土づくりが主体です。まだ、始まってない場合は今月中に済ませましょう。

関東地方以西では、定植や鉢の植え替えができます。秋植えは春植えより春先の初期生育が良くなる利点があります。寒冷地では寒さ対策を始めます。

12月

落葉すると枝は休眠に入ります。休眠期には、来年の生育のために選定を行います。探勝剪定をする場合、これから来る寒さで枝が切り口から枯れないように、長めに切る予備剪定を行いましょう。

寒波の強い都市に限らず、飽きになっても新梢が伸びて登熱不良となった木は、低温や乾燥の被害を受けやすいので、株元の敷きわらや水やりなどで感想を防ぎます。特に、東北地方以北では、凍寒害対策がひつようです。